ラムサール湿地近接
風車反対する会
鶴岡市民の皆さん!
ラムサール条約認定湿地の大山の上池・下池に近接した加茂の山脈(やまなみ)に大型風車8基を建設するというJRE(ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社)の事業計画が撤回されました。皆さんとともに喜び合いたいと思います。
建設予定地は日本遺産に認定されている「加茂港周辺の町並み(加茂集落)」に近く、山脈も「庄内アルプスロード」として全国のハイカーで近年賑わっているスポットです。
様々な観点からみて無謀といえるこの事業計画に鶴岡市長は今年2月事業主に中止を申し入れる大きな決断を行いました。この決断の背景には当該地域の住民や市民に絶えることなく話しかけ事業の是非を問いかけてきた粘り強い当会の取り組みがあったものと自負しています。
しかしながら6月には同事業者が運営する三瀬・八森山の風車下でクマタカの死骸が発見されました。市への報告が1か月以上も遅れたことは信頼を大きく損ねるものでした。環境省の分析では風車による「バードストライク」の可能性が高いとの報告がありました。私たちが不安に思い繰り返し指摘してきたことがついに現実となってしまったのです。
私たちは昨年11月に同事業計画に「反対する会」を立ち上げ本格的な活動を始めました。事業計画の中止を求める要請署名を1万筆集めるため、「署名呼びかけ人」1000人を目標に声かけを行い各種集会やイベントに出向き署名のお願いを繰り返しました。今年8月には目標の1万人署名を達成し、鶴岡市長と山形県知事にその報告と事業中止に向けての協力要請を行いました(環境省東北地方環境事務所と事業者へも複写で署名を届けました)。
鶴岡市民の皆さん!
今回の事業計画は中止に追い込まれましたが、クマタカ事件が生じた三瀬よりさらに近接した矢引において大型風力発電計画が進められています。遊佐・酒田沖で進められている洋上風力発電も、いつ鶴岡沖が計画対象になるかは全くわかりません。
この地に生まれ育ち、この地を次世代へ繋ぎたいと思うこの豊かな自然環境の保全と、持続可能な自然再生エネルギー利用の推進は本来矛盾するものではありません。この地の暮らしに必要なエネルギーを環境に負荷をかけずに生み出し、得られるエネルギーも経済もどのように地域で循環させていくのかは私たちが考えるべき大切なテーマです。
地域の「近未来」を私たち一人ひとりが自らのこととして真剣に考え、そして行動する、この立場を今後も堅持していきたいと思います。「反対する会」は本日をもって解散いたしますが、鶴岡市のより良い地域づくりへの道はまだまだ続いています。ずっと住み続けたい鶴岡、安らかに住み続けられる鶴岡を目指し、今後も一緒に進んでまいりましょう!
2023.12.23
「ラムサール条約湿地近接大型風車建設に反対する会」